新型メルセデス-AMG GT 4ドアクーペ試乗 サイズは大柄、GTに相応しい走り
公開 : 2018.09.28 10:10 更新 : 2018.09.28 10:47
どんな感じ?
ノルドシュライフェを7分30秒以下で
わたしの第一印象としては、GTの名には合わないように感じてしまった、メルセデス-AMG GT 4ドアクーペのスタイリング。4ドア版GTがまとうエクステリアデザインのテイストと同様に、内側にもMRAモノコックと呼ばれる、メルセデス製の共用プラットフォームが採用されている。GTスポーツカーとしてのハンドリングを目指し、軽量なスペースフレームが選ばれたわけではなく、CクラスやEクラス、CLSなどと同じものとなる。
GTのキャビン周り、特にリアのシルエットやワイドなスタンスは、スポーツカーとは呼べない。実際に走り出すまでは、パナメーラやRS7などのライバル達と、基本的には同じ種類のクルマに感じられるだろう。同門でもあるメルセデス製のCLSとの違いも、どの程度なのか、気になる部分ではないだろうか。
エンジンには、「アンチフリクション」と呼ばれるベアリングを採用した、新しいターボチャージャーが搭載されている。宇宙開発企業が興味を持ちそうな、イノベーション技術にも聞こえるが、恐らくドイツ語を翻訳した際の表現的なものなのだろう。さらに、特にサスペンション周りを中心に、ホワイトボディ状態で剛性を向上。GTスポーツカーとしては初めて、4輪操舵システムも搭載する。
車高が低く、なだらかに弧を描くルーフラインを持つ4ドアクーペのGT 63Sと現行のE63との違いや、639psと91.6kg-mを発生するV8ツインターボを採用した点に関して、AMGのエンジニアへ質問してみた。
「GT 4ドアクーペには、4マティック+に4輪駆動、eデフ、アダプティブ・エアサスペンション、4輪操舵システム、スタビリティコントロールなどを採用しています。シャシーとドライブトレインとの協調性を高め、われわれの他のパフォーマンス・サルーンやクーペとは異なる水準へと高めています」と話すのは、デミアン・シャファート。彼はAMGのドライビング・ダイナミクスの責任者であり、このGT 4ドアクーペを駆り、個人的にニュルブルクリンクのノルドシュライフェを、7分30秒以下で走らせたという。
「クルマのすべてがネットワークで繋がった感覚は、特別なものです。ハンドリングの正確性を自分好みに設定できるだけでなく、ステアリングの重さやエグゾーストノート、高速走行時のスタビリティ、コーナリング時の姿勢、スロットルレスポンスなど、独自の設定が可能です。本当ですよ。E63には不可能なことですから」