新型メルセデス-AMG GT 4ドアクーペ試乗 サイズは大柄、GTに相応しい走り
公開 : 2018.09.28 10:10 更新 : 2018.09.28 10:47
GTスポーツカーと呼ばれるクルマ以上
このGT 4ドアクーペは、センセーショナルという言葉が相応しいほどに、サーキットを存分に楽しませてくれた。4輪駆動モードのままで、優雅なグリップ走行から派手なドリフトまで、望みのまま。しかし実際は、走行ラインを逸れないように、ドラバーが気づかない内に、様々なディバイスが絶え間なくクルマをコントロールをしているはずだ。
ステアリングホイールの感触は濃く、重さも一定しており、スロットルを大きく開けても、ハンドリングバランスはニュートラルのまま保たれる。スタビリティコントロールも機能しているが、感じ取ることは難しい。横方向のグリップも急激な変化は起きないから不安感が少ないし、この重たいボディを持ってしても、ダンピング不足も感じられない。
また、急にノーズの向きを変える場面でも、驚くほど自然に、いとも簡単に受け入れてくれる。ドリフト状態に持ち込んでも、平衡状態の感覚や操作の正確性、調整のしやすさなどは、さらに高まる印象さえある。
ほかの大きなボディを持つGTモデルと異なり、GT 4ドアクーペが熱い走りを受け入れてくれるようには見えないかもしれない。しかし、このクルマでの長距離ドライブは、乗りはじめの驚きから、距離を重ねる毎に興味が掻き立てられていき、楽しさに溢れたものに変化していくはず。
常に身近にあるコミュニケーションの豊かさは、ライバルモデルよりも優れた、クルマの持つ限界領域へ迫ることを可能にする。むしろ、GTスポーツカーと呼ばれるようなクルマ以上の、優れたコントロール性や高いバランス性を備えているといっても良いだろう。