マクラーレン600LT試乗 570Sより100kg軽量化 675LTから3年分の進化

公開 : 2018.10.01 11:10  更新 : 2018.10.01 22:22


675LTから600LTへの進化

スポーツシリーズがベースのLTモデル

今回、600LTが素晴らしい走りを披露してくれたが、事前にわれわれは600LTのプロトタイプに触れる機会を得ていた。プレス発表に先駆けたもので、その時は2015年に発表された675LTも一緒に並び、600LTの運転は許されなかった。しかし、たとえ助手席からでも、この2台の関係性が深く、675LTからの3年間でモデル戦略が変化していることは明確だった。

スーパーシリーズの675LTがマクラーレン・オートモーティブの歴史の中で、主な道標になったことは間違いないだろう。675LTは、マクラーレン12Cや650Sとは、差別化しようとしている節があった。両者ともに、極めて高速なドライビングを可能とするために開発されたものの、最大のライバルには、感情へ訴えかけるような側面では、及ばない部分があったからだ。

しかし、2015年に発表された675LTクーペは、驚異的なレスポンスと、サーキット走行にフォーカスした、過激なパフォーマンスを得ていた。当時のライバルは突然、贅肉を付けたたるんだクルマになってしまった。市場の反応は確かなもので、500台のクーペを販売した後、500台のスパイダーも売り切っている。675LTの成功が、レースを視野に入れたその後のLTモデルづくりに影響しているが、スーパーシリーズではなく、廉価版のスポーツシリーズをベースにしたLTモデルが登場したことは驚きだ。

紙面上では、オプションを装備しない価格は18万5500ポンド(2671万円)。従来モデルが25万9500ポンド(3736万円)だったことを考えると、バーゲンプライスにさえ思える。反面、スポーツシリーズをベースとしていることもあり、675LTが備えていたボディロールを抑える油圧サスペンションやアクティブエアロは備わっていない。

スポーツシリーズのプロダクトマネージャーを務めるトム・テイラーは「今回、上向きのエグゾーストに挑戦する事ができました。ルックスが素晴らしいだけでなく、より大きなディフューザーを装備する空間も生み出しています」と話す。

675LTと600LTとをじっくり比較してみると、面白い違いに気づく。600LTは675LTよりもややボディサイズが大きい上に、リアウイングのデザインもより積極的な形状になり、リアバンパーギリギリまで伸ばされている。675LTの車内は、ダッシュボード中央のタッチスクリーンを除いて殆どがアルカンターラで覆われ、600LTよりも、想像以上にベーシックな雰囲気。また、マクラーレンが製造した中でも数少ない、エアコンのつかないクルマでもあった。

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記

人気記事