フルモデルチェンジしたBMW X5を評価 路面問わぬ満足度 ベストの選択肢
公開 : 2018.10.02 10:40
ドライバーズカーとして優れた完成度
今回のテストルートには、SUVよりもマツダ・ロードスターの方が適しているような、九十九折の郊外道も含まれていたが、ダイナミクス性能は間違いなく優れている。オプションとなるが、ステアリングがクイックになるインテグラル・アクティブステアリングと、並々ならぬグリップ力に慣れてくると、2.5tもあるクルマが、卓越したボディコントロールを備え、率先してアンダーステアを抑え込んでいることに気づくだろう。フロントタイヤの動きもしっかり知覚できる。
ただ、スポーツモードでもアクティブステアリングが後輪の舵角を絶え間なく変化させ、攻め立てた時の感覚は、なにか違和感のようなものも感じなくはない。都市部での走行では役に立つ機能なのだが。X5ほどの大きなSUVをスポーツカーのように飛ばす人は多くはないことはいえ、後輪操舵は別として、X5はドライバーズカーとしての優れた完成度を得ていることは確かだ。
オフロードでの走行性能も非常に高い。太いトルクに柔軟なサスペンション、様々な電子制御技術で、路面を問わず、走り続けることができるはず。急な坂道を下る際に役立つ、ヒルディセント・コントロールは標準装備となる。新しいオプションのオフロードパッケージには、強固なアンダーカバーとセンダーデフロックに加え、サンド、グラベル、ロック、スノーの4種類のドライブプログラムが追加される。
もしさらに走りを楽しみたいなら、ガソリンエンジンを搭載した40iに分がある。軽快に変速するトランスミッションと組合わさり、全回転域に渡って6気筒エンジンは心地よいサウンドを奏でてくれる。反面、静かにクルージングさせることもたやすい。
ひとつ気になる点というと、20インチホイールによる、剥がれた路面などでの衝撃。乗り心地は全体的には秀逸なのだが、マルチ・エアチャンバーを採用するライバルもある中で、X5は衝撃吸収ではやや劣るシングル・エアチャンバーを採用していることも理由かもしれない。