アウディQ3試乗 ボディサイズ拡大 エンジンとトランスミッションに不満

公開 : 2018.10.04 10:10

乗り心地とハンドリングに美点

同じグループであるフォルクスワーゲンでは既に新WLTPによって、いくつかのエンジンから滑らかさが失われていることを認めている。この件に関して、フォルクスワーゲングループのボス、ヘルベルト・ディースは今年の初めAUTOCARに対して「エンジンのパフォーマンスやレスポンスがいくぶん失われてしまうという問題があります」と話している。

こうした不満の一方で、称賛されるべき点も多く見られる。われわれがテストしたスポーツトリムは、設定されているなかでは最小となる18インチホイールを履いたFFモデルであり、試乗を行ったのが大陸欧州の滑らかな路面だったことも考慮する必要があるが、その乗り心地は素直で快適なものだった。

おそらく、新型Q3もアウディの伝統に従い、トリムレベルが上がるにつれて乗り心地もより引き締まったものになるはずだが、オプション設定のアダプティブダンパーを選択することで、上位モデルでも快適な乗り心地を手に入れることができるだろう。乗り心地に関しては、ボルボXC40の方がややしなやかな分だけ優れていると言えるが、その差はほんの僅かだ。


ややソフトなXC40に対して、ハンドリングはQ3の勝利だ。ステアリングは正確で、アウディが「ステアリング角度が増えるにつれて徐々にダイレクトさが増す」というプログレッシブステアリングの可変レシオも素晴らしい。郊外を移動するような場面にこそ相応しい軽いステアリングフィールだが、Q3では6つあるドライビングモードからダイナミックを選択すれば、ドライバーの好みに応じてさらなる重みを加えることもできる。

コーナーも得意であり、テストしたFFモデルでも新型Q3は素晴らしいグリップと、抑制の効いたボディコントロールを披露してくれた。イタリアの山岳路向けに設計されたクルマではないかも知れないが、そうした場所でも十分にその能力を発揮してみせる。よりパワフルな2.0 45TFSIエンジンと4WDを組み合わせたモデルでは、さらに素晴らしい走りを楽しむことができた。

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