新型プジョー508 フランス巡る旅 フレンチサルーンへの愛は変わらず
公開 : 2018.10.06 10:10
番外編1:プジョーの200年
フランス東部に位置するソショーにあるプジョーミュージアムを訪問して驚かされることのひとつが、プジョーのファミリービジネスの始まりについて知ることだ。他の自動車メーカーやバイクメーカーとは違い、彼らの創業物語は資金不足に悩む若者による立身出世の物語ではない。
自動車メーカーとしては「わずか」133年の歴史しかないものの、プジョーには200年にも及ぶ社歴があるのだ。
ダイムラーとベンツのはるか以前、プジョー家は女性向けの服飾製品(1850年から1870年にかけて、毎月2万5000個のクリノリンと呼ばれるペチコートを作り出していた)とキッチン用品、手術道具、精密工具などで隆盛を誇っていた。実際、プジョーのライオンのエンブレムはもともと、大ヒットしていたノコギリのラインナップの豊富さと、その歯の鋭さを象徴するものとして登場している。
1870年、後に「カーガイ」の先駆けとなるアルマン・プジョーが、家族の命によって仏露戦争の影響を避けるべく英国へと送り出された。多くをオートバイと原動機の世界へと導いた自転車業界に彼は身を投じ、その後フランスに戻ると、1891年にはPanhardのエンジンを積んだプジョー-セルポレ・タイプ1を作り出し、その後も順調に歩みを進めることになる。アルマンは勃興期にあったフランス自動車業界における主要人物のひとりとなり、初期のモータースポーツにも関与している。
ソショーでは、こうした歴史が分かり易く説明されるとともに、よりモダンなプジョー製公道モデルやレースカーも展示されており、一見の価値ありだ。