ロードテスト フォルクスワーゲン・トゥアレグ ★★★★★★★☆☆☆
公開 : 2018.10.14 16:10 更新 : 2018.10.14 20:32
結論 ★★★★★★★☆☆☆
ラグジュアリーSUVとして、あと一歩の突破口が必要
自我の強くない、機能性優先のデザインテーマは、現代のフォルクスワーゲンの存在感のあるスタイルや優雅さを示しているが、他のライバルモデルと比較するとき、その絶妙なさじ加減の難しさに気付かされる。フォルクスワーゲン・フェートンは、それが不完全なものだった。アルテオンも完璧だとは思えないし、この第3世代となるトゥアレグも、理想的な味付けの仕上げにはかなり苦労しているようだ。
車内は広く上質で運転しやすく、優れたオフロード性能も備えているトゥアレグは、大型SUVに求められる要素をすべて満たしているといえることは確か。しかし、インフォテインメントシステムが高機能で装備も充実しているとはいえ、5万ポンド(740万円)もする高級ファミリーカーとして、決定的な訴求力に欠けているように感じる。
車内も、広く快適なことは理解できるが、素材の高級感という面ではライバルには及んでいない。不足があるわけではないが、どこかありきたりで、退屈な印象を受けてしまうのだ。
ラグジュアリーSUVのカテゴリーには、トゥアレグ以上に運転してみたくなるモデル、所有したくなるモデルが存在すると思う。仕上がりは決して悪くないのだが、このカテゴリーとしては控えめな存在感が、決断の足を引っ張っていると思えて仕方がないのだった。
担当テスターのアドバイス
マット・ソーンダース
多くのクルマ同様、トゥアレグにもパーキングのボタンがシフトレバーに付いているが、場所が悪い。マニュアルモードに切り替えようとした際、何度か間違って押してしまった。
サイモン・デイビス
レーンキープアシストは標準でオンの状態。オフにするには、ステアリング上のボタンをよっつ押す必要がある。 必要以上の操作が必要で、うっとうしく感じてしまった。
オプション追加のアドバイス
価格は抑えつつ、上質なクルマを選びたいのなら、SELグレードがオススメ。Rラインに備わるスポーツサスペンションは不要だと思う。予算に余裕があるのなら、Rラインに、2370ポンド(35万円)のエアサスペンションと4輪操舵システムを付けると良いだろう。1550ポンド(23万円)のLEDヘッドライトや、2410ポンド(36万円)のイノビジョン・コクピットディスプレイは、オプション価格に見合った機能だと思う。
改善してほしいポイント
・トランスミッションの変速時のレスポンスをシャープにしてほしい。
・インテリアの素材は、もう少し高級感のあるものを用いてもよい。
・タッチスクリーンで操作するべき機能を選別し、残りは物理的なボタンに置き換えてもらいたい。