最高に「ふつう」なクルマは? ファミリーハッチ決定戦 前編
公開 : 2018.10.13 10:10 更新 : 2021.03.05 21:36
7位:セアト・レオン
現行モデルとなって常に高く評価してきたセアト・レオンが中位以下の順位とは厳しすぎるとお考えだろうか?
これまでのフォルクスワーゲングループ製1.4ℓターボエンジンに替えて、WLTP適合仕様の新型1.5ℓを積んだ2019年モデルに切り替わった直後に、今回のテストを開催しなければならなかったのはやむを得ない偶然だった。
ゴルフとオクタヴィアにも積まれるこの1.5ℓエンジンが、セアトのマルトレル工場に導入されたのは7月31日のことであり、残念ながら、この新しい1.5ℓエンジンを積んだ2019年モデルが今回のテストに参加するには時間が足りなかった。つまり、レオンにとってやや低すぎる今回の順位は、そのエンジンによるところが大きいということだ。
だが、今回は1.0ℓエンジンと、レオンとオクタヴィア、それにゴルフで選択可能な1.5ℓTFSIガソリンエンジンを直接比較するチャンスでもあり、その結論は、予算さえ許せば、150psを発揮する1.5ℓ TSI Evoエンジンを選ぶべきだというものだった。
レオンが積むこの115psの1.0ℓエンジンは、すべての面でそのスペックが表すとおりの力不足を感じさせるだけでなく、これまで試したいくつかの3気筒ダウンサイズエンジンと比べても、ラフなアイドリングと、滑らかさに欠けた回転上昇が気になった。一方で、実燃費測定では、非常に優れた燃費効率を証明しているが、それも、より大排気量のフォルクスワーゲングループ製エンジンを積んだレオンから期待されるほどのものではなかった。
それでも、レオンには称賛すべき点が多く存在する。乗り心地とハンドリングに優れ、他の参加車両と同じように、大径ホイールとよりグリップレベルの高いタイヤを履いたモデルであれば、さらなる素晴らしさを見せてくれただろう。魅力的なルックスもこのクルマの魅力のひとつだ。