ヴォグゾール・インシグニアVXRスーパースポーツ
公開 : 2013.04.09 17:42 更新 : 2017.05.29 18:29
■どんなクルマ?
ヴォグゾールはインシグニアXVRに僅かなアップデートを施し、新たにスーパースポーツというネーミングをグレード名の後ろに追加。それと同時に、スピード・リミッターをカットし、274km/hのトップ・スピードを持つモデルとしてリリースした。
このインシグニアXVRスーパースポーツには、もうひとつ大きな特徴がある。それは29,995ポンド(455万円)という価格だ。30,000ポンドを切ったその価格は、ライバルとなるBMW 335iやアウディS4よりも9,000ポンド(136万円)以上も安く、3ドアのBMW 135iと同一か安い価格なのだ。
■どんな感じ?
シンメトリカルな4WDシステム、ハイパーストラット・フロント・サスペンション、サポートのしっかりしたレカロ・シート、可変ダンパー、そして4ポットのブレンボ製ディスク・ブレーキなどといった装備が奢られている。
インシグニアXVRスーパースポーツは、本当に速く能力の高いスポーツ・サルーンだが、その一方で型にはまったモデルとも言える。確かにそのパフォーマンスは高いかもしれないが、興奮させるような何かがないのだ。
そのV6エンジンにしても単調で、その加速も274km/hのトップ・スピードを持つモデルとは思えない。ドライブ・モードをVXRモードにすればスロットルは敏感すぎるし、ノーマル・モードであればスロットルはスポンジーだ。その中間のスポーツ・モードが、ドライバビリティも良く、素直なレスポンスを与えてくれる。
また、インシグニアXVRスーパースポーツには変な癖がある。というのは、ステアリングを50度ほど切った時点に、デッドなレスポンスを返す不思議なゾーンが存在するのだ。そしてその直後、ステアリングの重さが増すというのも。もちろん、それに慣れてしまえばどうとゆうこともなく、それを無視してしまえば、理にかなったバランスと横方向の充分なグリップが確保されはする。しかし、その4WDシステムは思ったほど機敏ではないのが残念だ。
■「買い」か?
このインシグニアXVRスーパースポーツは、爆発的なパワーを持つピーキーなモデルではない。むしろ、お買い得感のあるパフォーマーということができよう。平均的なアウディS4よりも10,000ポンド(150万円)ほど安いのだから。
実用性を考えれば、確かに安いスーパー・サルーンではあるが、ただし、その中身は12年選手であることも同時に知っておかなければならないだろう。
(マット・ソーンダース)
ヴォグゾール・インシグニアVXRスーパースポーツ
価格 | 29,995ポンド(455万円) |
最高速度 | 274km/h |
0-100km/h加速 | 5.6秒 |
燃費 | 9.4km/ℓ |
CO2排出量 | 249g/km |
乾燥重量 | 1825kg |
エンジン | V型6気筒2792ccターボ |
最高出力 | 320bhp/5250rpm |
最大トルク | 44.4kg-m/5250rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |