試乗 メルセデス・ベンツSクラスS560e ハイブリッド改良 13.5kWhバッテリー搭載
公開 : 2018.10.16 10:10
どんな感じ?
非の打ち所がない乗り心地
S560eの走りは感銘を受けるほどにスムーズで快適、洗練されている。例え大都市で酷い交通渋滞にはまったとしても、ストレスフリーといえるほどの体験だと思う。信号が変わって発進する際も、低回転から力強いモーターとは裏腹に、加速感は至ってジェントル。路面の凹凸を検知し、サスペンションがしなやかに動き、低速域での乗り心地は非の打ち所がない。
高級感溢れるクルマがゆえに発してしまう、お金持ち的なうぬぼれ感や振る舞いも、周囲に溢れるディーゼルエンジンを積んだハッチバックより少ない環境負荷のおかげで、幾分和らぐかもしれない。少なくとも、V6ガソリンエンジンが、目を覚ます前までは。
たとえガソリンエンジンが起動し、モーターからエンジンへと駆動力がスイッチする場合も、ほとんど感取できないほどシームレスに行われる。エンジン自体もスムーズで、外界からは切り離されたS560Sの車内は遮音性が高いこともあり、アクセルペダルを踏んでいる間、遠くにハミングが聞こえるだけ。
しかし、走りの素性としては、逞しい性格も持ち合わせているのが面白い。加速時のマナーは期待通り、至ってリニアで滑らかにこなされる。