90年代生まれ、いま手に入れるべきあのクルマ 定番から意外な選択まで その2
公開 : 2018.10.20 10:10 更新 : 2021.03.05 21:42
ローバー75
1999年-2005年 価格:1000ポンド(15万円)
まるで英国が7つの海を支配し、男たちはピンストライプのスーツを着て山高帽を被っていた時代のことを懐かしんでいるように見えかも知れないが、ローバー75がショールームに登場したのは間違いなく21世紀が始まろうとしていた時だった。その魅力的なエクステリアデザインはローバーの歴史を感じさせ、居心地がよく高品質のインテリアはレザーとウッドの香りに溢れていた。
このクルマを早計にも古いゴミバケツのようだなどと決めつけてはいけない。75はわずかしかないBMWのオーナシップのもと、ローバーから初めて登場したモデルであり、そのため、驚くほど素晴らしく、非常に洗練されてもいたのだ。ボディシェルは印象的なほど強固で、優れたサスペンションによって、前輪駆動のローバー75の路上でのマナーは、単に十分というレベル以上に達していた。
残念ながら、このクルマの登場後間もなくBMWがローバーを手放したために、75が予定の生産台数に達することはなく、さらには次のオーナーがMGに改名した後では、このクルマがかつての優れた仕上がりを取り戻すことはなかった。
現在では驚くほど安価なプライスタグを掲げ、中古車販売店の店頭を飾るお買い得な定番モデルとなっている。すべての75が充実した装備を備えており、BMW製2.0ℓディーゼルやクリーミーなローバー製V6ガソリンなど、エンジンにも多くの選択肢が用意されていた。