90年代生まれ、いま手に入れるべきあのクルマ 定番から意外な選択まで その8
公開 : 2018.10.21 16:10 更新 : 2021.03.05 21:42
ポルシェ・ボクスター
1996年-2004年 価格:7000ポンド(104万円)
ポルシェからボクスターが登場した時、英国のみならず、スポーツカーの世界には衝撃が走った。当時、多くが見慣れたルックスにフラットシックスを積んだ2シーターの新型モデルを予想していたが、新たな名前を与えられ、リアではなく車体中央にエンジンを積み、911の2/3程度のプライスタグを掲げたモデルの登場は、ポルシェを象徴するモデルの将来を危うくするものだと感じさせた。
だが、実際にはボクスターが苦境に陥らせたのは911以外のすべてのモデルだった。ロータスやTVRを購入することに当初不安を感じていたドライバーは、いまやポルシェの品質と信頼性、さらには高い残存価値を、素晴らしいドライビングと共に楽しめるようになったのだ。
もちろん、ボクスターも最初から完ぺきだった訳ではない。エントリーグレードが積む2.5ℓエンジンは、様々な故障に悩まされ、ポルシェ信奉者にショックを与えた。だが、ボクスターはミドルクラス市場におけるスポーツカーの定番モデルとなり、20年以上にわたり、比較テストでトップの座を守っている。
エントリーグレードが最高のお買い得モデルだが、多くは最速且つ、もっとも装備の充実したモデルの魅力に抗えずにいる。90年代後半のボクスターSがいま購入するには最も魅力的な選択肢だろう。
インターミディエイトシャフトとリアメインシールには注意が必要だが、もしこうした箇所に適切な対応がほどこされているのであれば、ほとんどすべてのボクスターが、最も安価に所有する喜びを感じさせてくれるモデルといえる。