自動運転支援技術 「自動」が危険な誤解の要因に ザッチャム研究所が指摘
公開 : 2018.10.22 10:10
ザッチャムのテスト結果(その1)
ザッチャムが開発したテスト手法は、2020年からNCAPが導入するテストの基本となるものだ。この中にはメーカーがどのように顧客に対してそれらのシステムを販売しているかという評価が含まれる。さらに実地試験において、システムが白線や標識を認識する能力が評価される。
テストコースでは3種類のテストが行われる。まず第一に、レーンキープアシスト作動時に路面の窪みを回避する性能がテストされる。次に、連続するS字カーブにおける車線追従性のテストだ。最後に行われるの緊急ブレーキシステムのテストでは、64km/h以上での走行時に停止車両の手前で停止することができるかどうかが確認される。以下にザッチャムとNCAPの試験結果を記述する。
アウディA6
「アウディA6に搭載されるアダプティブ・クルーズ・アシストはドライバーが自分で操作している実感を与えつつ、ほど良いアシストを加えています。この名称もあくまでも運転支援装備であることがわかりやすく、誤解を生む可能性は低いです。全体として、アウディのシステムはドライバーによる過信のリスクが低いバランスのとれたものです」
DS7クロスバック
「DS7クロスバックのコネクテッド・パイロットは介入度が低く、ドライバーが自分で運転している感覚が強い。ただしこの名称は運転支援装備であることが明らかでなく、誤解を生じる可能性があります。今回のテストによれば、このシステムは前後方向にのみ効果を発揮するようです。低速車の存在や前走車の減速にはある程度の反応をしますが、停止車や飛び出しなどには一切動作をしませんでした。DSのシステムはドライバーが主体的に運転する必要がありますが、過信する可能性も低いと考えられます」