試乗 アウディeトロン・プロトタイプ EVらしからぬ隙のない走り
公開 : 2018.10.23 11:10 更新 : 2021.02.09 23:25
700kgの大容量バッテリーが要
プラットフォームにはMLBエボが使用され、これはQ5やQ7、ベントレー・ベンテイガ、ポルシェ・カイエンなどにも採用されている。共有のプラットフォームは開発コストを下げるばかりか、ほかのモデルの部品を使うこともできるようになる。さらに、ステアリングシステムはQ5、アクスルマウントなどの部品はQ7のものを流用しているが、ドライブトレインは完全新作でeトロン専用だ。
eトロンの要は700kgの95kWhリチウムイオンバッテリーだ。このエネルギーで前後軸に搭載された2機のモーターを駆動する。オーバーブーストモードで408ps、67.2kg-m、ノーマルモードでも355ps、57.2kg-mを発揮する。このパワーのおかげで0-97km/h加速は6.4秒足らずで、オーバーブーストモードならさらに0.9秒短縮され、5.5秒となる。アウディは車重について口をつぐんでいるものの、サイズからするとかなり健闘していると言えるだろう。
eトロンの特徴のひとつは、GoPro大の1組の小型カメラだ。オプションではあるが、本来ならドアミラーのある場所にL字型の張り出しがあり、カメラの画像はドアパネルに埋め込まれたパネルに画像が表示される。そのため、後方を確認するにはドアハンドルかスピーカーあたりを確認する必要がある。
この装備になれるには少々時間がかかるだろう。スクリーンは本来のミラーの位置よりもかなり低く、明るさを調整することもできないからだ。さらに、直射日光の下で使用すると照り返しが見られ、不愉快に感じる。しかし、これを選択すれば空気抵抗が軽減しわずかに航続距離が伸びるほか、いい会話のネタにもなるはずだ。もっとも、同乗者からすると若干恐ろしくも感じられるだろうが。