どうなるダイソン 2021年にEV生産? シンガポールが拠点、スポーツカーなし
公開 : 2018.10.24 20:10 更新 : 2018.10.24 20:24
ダイソン初のEVとは
ダイソンが25億ポンド(3750億円)の巨費を投じた第一号モデルの開発は、英国政府の支援も取り付けている。
性能やグレード展開といった詳細は依然シークレットだが、その第1作が日産リーフやルノー・ゾエのような量販モデルではないことだけは間違いなさそうで、より技術面のアピールが効くマーケットを狙うようだ。ダイソンの家電製品は競合他社製品より高額な傾向にあることから、EV市場においてもテスラのようなプレミアムセグメントをターゲットにすると推測できる。
生産拠点がどこになるのか、未だ明言はされていないが、ジェームズ・ダイソンは昨年、ロイターの取材にこう答えている。「バッテリーを生産するのがどこであれ、クルマもそこで造ります。それが合理的ですから。そのため、サプライヤーも近くにいることが好ましいですね。また、歓迎され、フレンドリーでいてくれる土地を希望します。それに、ロジスティクスが最も理にかなった場所を。極東には、非常に大きなマーケットがあるとも考えています」。ダイソンは、極東市場で大きな存在感を持っており、開発は英国で行うにしても、生産が中国で行われるという仮説はあながち非現実的な話ではない。
EV計画に関する声明の中で、サー・ジェームズはディーゼルに関する各国政府の促進策や、最近の排ガス偽装問題に苦言を呈した。「世界中の政府は、クリーンディーゼルなる矛盾した呼び名のエンジンの導入を、補助金などで奨励してきました。大手自動車メーカーは、排ガス浄化に関する規定の抜け穴を探し、誤魔化してきました。結果として、先進国でも発展途上国でも、大都市はスモッグを吐き出すクルマやトラック、バスであふれています。それこそ、ひとびとが目を背けている問題です」
彼は、根本的な大気汚染の軽減が大きな狙いであるという。「わたしがこの会社で手がけてきたのは、バッテリーに関する新技術の開発です。電気を動力としたクルマこそ、自動車による公害問題を解決すると確信しています。ダイソンは革新を続けていきます。そして今、ついに持てるテクノロジーの全てを、ひとつの製品へ注ぎ込むチャンスを得たのです」
「わたしたちは、この上ないティームの構築に着手しました。ダイソンのトップエンジニアと、自動車業界から招いた才能豊かなひとびとを結集したのです。そのメンバーはすでに400人を超え、さらにアグレッシブな求人を行っています。この試みに、20億ポンド(約3000億円)の拠出も決めています」
GoogleのWaymoやAppleの自動運転車が既存車両にコンポーネンツを載せるのと違い、ダイソンは自社ブランドのEVを送り出すつもりだ。他のメーカーに、自動車生産面での助力を仰ぐ予定はない。