アストン マーティン 記念すべき株式公開に密着 新たな歴史の始まり
公開 : 2018.11.03 16:10
DB5とヴァルキリーも登場 報われた株主
取引所まで移動する間に、アストン マーティン・ラゴンダ・グローバルホールディングス(AML)株の公募価格が19ポンド(2734円)であることを密かに確認しておいた。これまでは、18.50ポンド(2662円)から20ポンド(2878円)の間になるだろうとしか知らされていなかったのだ。
この価格によって、株主価値は10億8000万ポンド(1554億1200万円)増加し、アストンの企業価値は43億3000万ポンド(6230億8700万円と、少なくとも2004年にフォードが売却した当時の6倍にも達することになる。
残念ながら、現時点ではFTSE 100入りにはわずかに届かないが、期待通りの成長を遂げれば、それほど時間を要することなくFTSE 100の構成銘柄となることができるだろう。
ビルの合間から顔を覗かせたこの日最初の陽光が、この記念すべき日に欠くことのできないボンドカーのDB5と新型ヴァルキリーを含めたアストンを象徴するモデルたちに差し込む頃には、パタノスタースクエアに到着することができた。
メルセデスの後部座席で初めて知ったのだが、ヴァルキリーのエンジンサウンドはコスワースの工場で録音されており、午前8時にはパーマーのツイッターで公開されるとのことだ。ライヒマンはそのエンジンサウンドを、新たな国歌とまで呼んでいる……。
朝食会場はひとでごった返していて、クロワッサンは高級なものだった。アストンでお馴染みの面々がここには揃っており、恐らく既存の株主だろう喜色満面のひとびとも見つけることができた。彼らには喜ぶだけの理由があるのだ。
この急成長企業の株式の70%はそのまま保有しつつ、彼らは今回の上場でその投資に見合うだけのものを得ることになる(クウェートの株主の場合、その投資期間は14年間にも達する)。パーマーも笑顔を見せていた。上場後に彼が保有する0.6%の株式価値は、2400万ポンド(34億5360万円)にも達するのだ……。