GT-R50やゼロウノ VWが買収後「イタルデザイン」何めざす? 試乗で探る

公開 : 2018.11.11 07:40

GT-R50 by イタルデザイン

アスタロッシュが語ることのできるもうひとつの顧客企業が日産であり、彼らはまったくフォルクスワーゲンとは関係がない。だが、イタルデザインと同じく、日産が誇るGT-Rもその誕生から50周年を迎えており、イタルデザインの実力を示すゼロウノの登場により、両者は日産でGT-Rのプログラム・ディレクターを務めるボブ・ラシュリーを通じコラボレーションを行うこととなった。

さらに、もうひとつのきっかけとしてアスタロッシュは「われわれのスタッフのアンドレア・ポルタですが、日本語を話せるうえ、GT-Rマニアでもあったのです。まずは共同で展示用モデルを製作しましたが、市販化したいと考えています。あとは日産次第です」と話している。

それが720psを発揮するGT-R50 by イタルデザインであり、ラシュリーが車名にイタルデザインの名を冠したことを、アスタロッシュは誇らしげに話す。もし市販化が決まれば、「税別90万ポンド(1億3057万円)のプライスタグを掲げた50台限定のモデルになるでしょうが、まったく利益は出ません」とのことだ。


さらに、5人のオーナーはすでに支払いを済ませているにも関わらず、ゼロウノも利益をもたらすモデルではないとアスタロッシュは付け加えている。このモデルはイタルデザインの主要な3つのサービスを象徴する存在だという。つまり、「どんなタイプの車両でもゼロから開発できる能力と、(ゼロウノや、市販化された場合のGT-R50など)極めて数の少ない量産モデルへの対応、さらには、移動システムそのものの開発」である。

実際、イタルデザインはトリノの地下鉄プロジェクトに参画するとともに、取外し可能なパッセンジャー用ポッドを持ち、取り外したポッドは4ローターのドローンで空輸可能という、エアバスとアウディによる驚くべきコンセプトモデル、Pop.Upも手掛けている。

これは、アスタロッシュがひとつの移動システムだと考えるジウジアーロによる1980年のフィアット・パンダとはまるで違うものだ。パンダのデザインが気に入っているアスタロッシュは、自身が購入しようとしている低走行な4×4モデルのこのクルマの写真を見せてくれた。

移動システム全般に関して、アスタロッシュは自動車業界自体が「この状況を直視できなければ、クルマの将来はない」とまで考えている。

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