GT-R50やゼロウノ VWが買収後「イタルデザイン」何めざす? 試乗で探る

公開 : 2018.11.11 07:40

驚異的なモデル 喜ばしい復帰

その効果は公道でも明らかであり、高速でのゼロウノは驚くほど安定しつつ、繊細さも失っていない。それは乗り心地も同様で、堅くはあるが荒れた路面でも満足できるレベルのフィードバックが感じられる程度の柔軟さは併せ持っており、同時にそれなりの快適さも確保している。

こうした点に加え、ゼロウノには素晴らしく正確なステアリングと、611psのパワーと57.1kg-mのトルクによって、このクルマに驚異的なスピードを与えているエンジンがもたらす素晴らしい鼓動感が備わっており、その結果、このクルマの運転は病みつきになるほどの楽しさだ。

自然吸気5.2ℓV10エンジンには、アクセル操作に対する素直なレスポンスとともに、効果的なエンジンブレーキも備わっている。カーボンファイバー製ボディパネルの採用と、R8が使用するスペースフレームのカーボンセクションを変更しルーフを低くするとともに、さまざまな軽量化策をほどこすことで100kgほどの重量削減を達成しており、それによって、0-100km/h加速は3.2秒、最高速は330km/hに達する。


こうした驚くべき性能にもかかわらず、ゼロウノの運転は驚くほど容易で、それはハードなドライビングでも変わらない。その驚愕のグリップと最高のセラミックブレーキ、素晴らしい7速パドルシフトと良好な視界(ただし前方のみだ)によって、ゼロウノはそのボディの大きさには不釣り合いともいえるほど機敏なモデルだ。

車高は低いものの、ベースとなったR8同様、ボディが大柄だというかもしれないが、そうした批判も、その驚異的な価格に比べれば大した問題ではないだろう。だが、ゼロウノはすでに完売状態なのだ。

イタルデザインにとってより重要なことは、ゼロウノの存在がフォルクスワーゲングループ以外の新たな顧客開拓に繋がるということであり、恐らくは決して明らかにされることはないだろうが、それは日産だけではないということだ。

再びイタルデザインが多くの自動車メーカーに影響を与える立場に立ったことを素直に喜びたい。

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