初試乗 ポルシェ・パナメーラGTS 真のスポーツカー、得たもの/失ったもの
公開 : 2018.11.05 10:10 更新 : 2018.11.17 14:18
価格は10万5963ポンド(1568万円)から
今回の試乗車はオプション満載の状態で、とても効果的な後輪操舵システムにPDCCシャシー、カーボンセラミック・ブレーキなどを装備。標準で10万6963ポンド(1583万円)からとなる価格に、さらにフォルクスワーゲン・アップが買える価格が上乗せになっていた。
わたしの感覚では、ほとんどサーキット走行をすることがないであろうパナメーラに、6707ポンド(99万円)もするカーボンセラミック・ブレーキは不要に思える。しかし、後輪操舵システムとPDCCシャシーは、パナメーラの利便性や走行性能を高める上でも、選んでおいて間違いはない。実際にそれを体感した。
PDCCが搭載されるほかのパナメーラ同様に、エアサスペンションも自動的に付いてくる。スポーツモードを選択すると、フロントで18mm、リアで10mm車高が下がり、安定性を高めるてくれる。PDCCを搭載しないクルマの場合、アンチロールバーが太いものに置き換えられるが、選択するひとは少ないだろう。
ちなみに、少し上乗せして10万8110ポンド(1600万円)を出せば、より便利でスタイリングも魅力的なシューティングブレーク、スポーツ・ツーリスモが購入できる。ただし、最高速度はサルーンの291km/hから僅かに低くなる。
周囲を見渡すと、ライバルモデルとなるBMW M5コンペティションの方が価格は安いが、ポルシェほど魅了させるクルマではないと、わたしは思う。メルセデス-AMGの新しい4ドアGTは、存在感はより大きく、パフォーマンスでもパナメーラよりも秀でているとは思うが、価格もそれに応じて高い。高額なクルマでいうなら、パナメーラ・ターボという存在もある。