減りゆく地方ガレージ 成功のカギは地元密着 扱うのはクラシックと現代のモデル

公開 : 2018.11.10 07:40

顧客も個性的 皆が幸せに

このガレージのファンと顧客のなかから、75歳のトニ・ギーがモーリス・マイナーに乗ってやって来た。このクルマ1台ですべてをこなしているというだけでも十分に驚きだが、なんと彼はこのクルマを1967年に新車で購入して以来所有し続けているという。

「他のクルマを所有したことは1度もありません」と彼は話す。「このクルマで64万4000kmを走ってきました」

毎年ボディパネルを外してアンダーシールの状態をチェックし、再塗装を行っているお陰で、このクルマは素晴らしい状態を保っている。以前はこうした作業をトニー自身が行っていたのだが、いまではモーターガレージがこのクルマの主治医となっている。

熱心に話を聞いているのはケン・ジャーマンだ。93歳のケンは、まるで新車のような1951年製ライリーRMA 1.5に乗ってやってきたが、彼はこのクルマのレストアに5年を費やしていた。

「少しはモーターガレージの手も借りましたが、ほとんどの作業は自分でやりました」とケンは話している。「1983年にリタイアした後、溶接と木工の修復方法を学ぶため専門学校に通いました。ですから古いクルマのレストアはお手の物です。ライリーをとあるガレージで見つけたのは1988年のことでした。弁柄が塗られていたので錆は問題ありませんでした。木製のボディは使い物になりませんでしたが、レストアによってまるで新車のように蘇らせることができました」

ウィークデイは会社トップを務める54歳のアラン・ウッドだが、週末には熱心なレストアマンに変身する。最近親子でモディファイしたことで、1959年モデルに見える1962年式ミニ850に乗った息子のショーンとともに、アランはトライアンフ TR4に乗って姿を見せてくれた。ふたりはいま1952年式ジャガーXK 120のレストアに取り組んでいて、オリジナル図面に基づき、手仕事で細かい部分まで疎かにせず作業を進めている。


ガレージの風景を現代的にしているのは、63歳のスティーブ・フーパーだ。彼自身もガレージのオーナーであり、「記憶にないほど昔」にマラネロにあるフェラーリで見習いとして働いた経験をもつスティーは、友人と所有する2台に分乗してやってきた。2000年登録の走行距離8万5300kmのマセラティ3200 GTAと、希少な2001年登録のフェラーリ360 スパイダーのマニュアルモデルだ。

「大方の予想を覆して、ジェームズと彼のスタッフはこの古いガレージに新たな息吹を吹き込みました」とスティーブは言う。「地元にとって素晴らしいニュースです」

ジェームズとスタッフたちがそれぞれの仕事に戻り、ヴィッキーが新たな客の予約をとっているのを見れば、スティーブの言う通りだと思わずにはいられない。

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