「クルマを作る工場を作る」会社 独特な秘密/危険とは? モットーも

公開 : 2018.11.10 18:10

あなたが聞いたこともないような、最も重要かつ成功した英国の自動車ビジネスとはなんでしょうか。各自動車メーカーが持つ生産ラインの組み立てや巨大クレーンの設置などを行うベック・アンド・ポリッツァーを取材しました。

もくじ

ベック・アンド・ポリッツァーという会社
今後はEVやバッテリー工場に
秘密の多い仕事
危険な仕事はしない
B&Pの実績

ベック・アンド・ポリッツァーという会社

もしあなたが世界の自動車産業の状況を知りたいなら、数多くの製造ラインを設置し、世界中の工場を移動させている会社のボスに尋ねるがいい。

「わが社の年間総売り上げは2014年から2倍になりました。2014年に6000万ポンド(88億円)だったのが2018年には1億2000万ポンド(176億円)になったんです」とベック・アンド・ポリッツァーのCEO、アンドリュー・ホグソンはいう。

「この成長の半分は自動車セクターの分です。英国は単独ではわれわれの最大のマーケットですが、この国のにわか景気と関税の見通しのおかげで、米国のカロライナ、ネバダから欧州全土、そしてトルコやインドにまで業務を拡大しています」

ベック・アンド・ポリッツァー。巨大な超重量級可動式クレーンの横にこの名前が書かれているのを見たことがあるかもしれない。例えば、2011年に修理中のカティー・サーク号にマストを再取付したのもB&Pのクレーンだし、2005年には複数台のクレーンを使ってヒースローのターミナル5にエスカレーターとエレベーターを設置した。

1863年にシギスムント・ポリッツァーとジョン・ベックによって創設されて以来、この会社は155年にわたり、ものを持ち上げ、動かし、保管してきたのだ。創業から100年でロンドン、サザクのテムズ河畔には、B&Pのクレーン、埠頭や倉庫が立ち並ぶようになった。

機械や資材を必要とされるところに確実に送り届けるB&Pは、英国の戦後復興の中心にいた。1985年、B&Pは自動車分野に進出し、英国日産に新たなボディプレス部門を設置した。4年後、今度は5000tの日立造船製プレスをローバー・グループのロングブリッジ工場に設置した。

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