新型スズキ・ジムニー・シエラに試乗 海外の評価「イメージと実力に差」
公開 : 2018.11.08 10:13 更新 : 2018.11.17 16:17
どんな感じ?
我慢を強いられる一般道
正直、舗装路での走りにおいては、かなりお粗末だといわざるを得ない。必要な性能に欠いている。このキュートな外観は、A地点からB地点への移動手段として、我慢を強いられることを和らげるためのものなのかもしれない。といっても、20kmも耐えられないかもしれないけれど。
低速域では、路面の剥がれや補修跡などをいなせず、かなり安定性に欠けている。おそらくガラスのように滑らかな路面であっても、落ち着いた乗り心地にはならないのではないか、と心配するほど。速度を上げていくごとにやや穏やかな挙動になるが、100km/hを超えてくると、タイヤが中に浮いているような感覚に時折襲われてしまう。
コーナリングも褒められたものではない。背が高く、角ばったボディということもあって、ボディロールは大きい。ただし中速域での進路変更は、動的性能が部分的に引き出され、想像よりも優れてはいる。この際の荷重移動は斬新的なものではなく、1090kgの荷重が外側の車輪へ一気にかかるような印象すらある。嵐の海の中で揺さぶられる小舟のようなマナーだ。
ステアリングは軽く、レスポンスも鈍いが、ペダルのすぐ前のフロントタイヤがどんな状況なのか、伝わっては来る。フロントタイヤのグリップ力は決して高いとはいえないから、この感覚はありがたい。少しペースを速めるだけで、簡単にアンダーステアに陥ってしまうのだから。