1600km/hへの挑戦、破産で危うく そもそもなぜ目指す? キーマンに訊く

公開 : 2018.11.10 16:10

なぜブラッドハウンドは重要なのか?

ブラッドハウンドの時代は終わったと考える人たちがソーシャルメディアを賑わしている。電動化が急速に進む現代では、何トンもの化石燃料を燃やし多くのCO2を排出する機械を本当に喜ぶべきなのかと懐疑論者はいう。

ブラッドハウンドのプロジェクト開始まもなくユーロファイター・プロジェクトから移ってきた空力専門家のマーク・チャップマンは、地上速度の最後の重要な目標として1600km/h突破を実現すべきであると信じている。

「ブラッドハウンドが採用する、あるいは開発するレベルの高い技術は別としても、このプロジェクトは、今日においてほとんどのことは達成できるという手本をしっかりと示すものなのです。それ自体重要なことです。克服すべき目標は今後とも常にありますが、それが何なのかはよくわかりませんね」

CO2に関していうと、超音速でブラッドハウンドを1回走らせることで生ずるCO2は、大西洋を横断するジャンボジェットがヒースローからスラウ(ヒースローのすぐ隣り町)まで飛ぶのと同等だと彼は考えている。1600km/hを達成するには15回の走行が必要だとチームは推定しているが、これだとヒースローからスウィンドンまで飛ぶのと同じCO2になる。つまり、得られるものがあるならば、CO2の排出は許容範囲内だと彼は言っているのだ。

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