Classic Car Canal Gallery in Tennoz キャナルサイドでクラシックカーを身近に感じる

2018.11.3

あらたな文化拠点としても注目されている天王洲のキャナルサイドを舞台に、クラシックカーを間近に見て歴史を楽しんでもらおうという展示イベントが「Classic Car Canal Gallery in Tennoz」です。当日は天候にも恵まれ、多くのギャラリーが詰めかけました。

text & photo:Kentaro Nakagomi(中込健太郎)

天王洲キャナルサイドにクラシックカーが並んだ

東品川の天王洲周辺のキャナルサイドは、最近では様々な文化拠点としても注目される地域。そんなエリアに11月3日、クラシックカーがずらりと並んだ。C.C.C.G. in Tennozは今年で2回目となるイベントだ。C.C.C.G.はClassic Car Canal Galleryの略。日本クラシックカー協会と一般社団法人天王洲キャナルサイド活性化協会が主催するこのイベント。天王洲のキャナルイーストエリアとボンド・ストリートに今回は24台のクラシックカーが並び、クルマ好きや近隣に住む家族連れなどの目を楽しませていた。

クラシックカーを身近に感じることのできるイベント

昨年初開催され今回で2回目となるこのイベント、実は地域の理解と協力も大きいという。「昨年初めて開催して、今回で2回目を迎えたC.C.C.G.ですが、場所を管理する寺田倉庫さんも大変前向きにご協力くださっています。11月3日は何かもっと大きなイベントでもない限りはC.C.C.G.を、というスタンスでいてくださっているはありがたいですね。今日もそうなのですが、天候にも恵まれるこの季節ですので、外へ出ていただき一人でも多くの方に、クラシックカーを身近に感じていただくきっかけになればいいですね」と日本クラシックカー・クラブが語ってくれた。

温もりや情熱までも感じ取れそうな展示車との距離感

こうした車両展示の企画自体は、最近時々様々な催しが行われる。しかしながら、このイベントでは、その展示されるクルマの価値もさることながら、展示スタイルも特徴といってよいのではないだろうか。クルマとクルマの距離がたっぷりと取られる一方、見学者はかなり近くまで寄ってみることができる。そうすると、金属を叩き、切り出し、削った部品をひとつひとつ組み上げていた当時の職人の手のぬくもりや、より速いクルマを作りたいという性能への貪欲な情熱のようなものを、クルマ好きでなくとも感じ取ることができるのではないだろうか。そして数十年の時を生きてきたクルマと対面できたことへの喜びなど、見た人それぞれに様々なことを感じ取れる展示スタイル。贅沢だが、この時期に散策がてらゆっくりと見学するのにふさわしい手法といえるだろう。

無垢な心で、かわいいと駆け寄る心を大切に

職住近接もこの地域の特徴といえるが、それだけに、特段この展示を目的に訪れたわけではない家族連れなども展示車に見入っていた。素直な子供は近くまで駆け寄り、わが子とクルマとの2ショットを写真に収める親御さんの姿も多数目にした。もちろん貴重なクルマの数々、注意をしつつも、明らかに知っている常識の中のクルマとは大きく異なるクルマたちを身近に感じることが、彼らの歓声に何かを訴えかけ、何かのきっかけになるかもしれない。そんな「クラシックカーが歩み寄る姿勢」さえ、このC.C.C.G.からは感じ取ることができた。

また、天王洲の街にクラシックカーが作る秋の長い影が、色づき始めた街路樹と織りなすコントラストも見もののひとつ。数々のクルマのイベントが各地で開催される中、都心周辺で、ゆったりとクルマに耽るひと時。こんな秋の休日もよいものではないだろうか。

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