新型BMW Z4 初試乗 ソフトトップ採用 ドライビングの質、大幅に向上
公開 : 2018.11.12 10:10 更新 : 2018.11.17 16:18
718ボクスターを超えてはいない
新しいZ4は、乗り心地もハンドリングも、先代モデルから大幅に向上している。優れたシャシー性能とボディコントロール性を備えており、充分な横方向のグリップ力とトラクションとが相まって、BMWのトレードマークといえる痛快な後輪駆動のハンドリングを獲得している。クルマの反応も正確で落ち着きがあり、高速域でも不足のないスタビリティを得ているから、ファン・トゥ・ドライブの面でも満足感は高いはず。
しかし、大柄なボディサイズは意識せずにはいられない。夢中にさせてくれるスポーツカーが備えている、俊敏性や適度な緊張感といったものは、残念ながらZ4からは感じられないことも事実ではある。
BMWのほかのモデルと同様に、ドライブモードをインディビジュアルにすれば、パワートレインやサスペンション、ステアリングフィールのセッテイングを好みに応じて設定し、組み合わせられる。しかし、ベストの設定を見つけるには、それなりの知識と時間が必要。しかも、もしそれを見つけたとしても、5万ポンド(740万円)に迫る価格のドライバーズカーとして、ベストの仕上がりを味わえるわけではない。
Z4のステアリングフィールは正確性に優れているが、手に伝わってくる感覚の面では不足気味。タイトなコーナーへ侵入する際も、中心付近の感触が曖昧なところがあり、若干不安に感じるかもしれない。また、シャシーの傾向として、横方向のグリップの限界を察知しにくい傾向がある。加えてサスペンションも全般的に固めで、滑らかさはもうひと手間かけたい印象。
ドライビングモードをスポーツ以上に設定するには、少し気持ちの準備が必要かもしれない。