試乗 フェラーリ488ピスタ 扱いやすく破綻なし 推しは458スペチアーレ
公開 : 2018.11.14 18:10
ドラマ性は無いが破綻のない走り
マクラーレンとは違い、フェラーリはカーボンタブではなくアルミニウム・モノコックを好む。しかし、その剛性には遜色なく、2ウェイのアダプティブダンパーによるピュアで破綻のないコントロール性も素晴らしい。
「破綻のない」とは使い古された表現だが、よほど荒いアクセル操作をしたり凹凸をとんでもなく見誤らない限り、ピスタの挙動は荒野を走るランドクルーザーのように落ち着いている。
そうはいっても、このフラットプレーンクランクの3.9ℓツインターボは、どんなに速いクルマに慣れていても恐ろしい。720ps/8000rpm、78.5kg-m/3000rpmというスペックは、F1マシンと同じサプライヤーによって作られるチタン製コンロッドや超高圧縮比の恩恵によるものだ。過去の自然吸気エンジンのようなドラマ性こそないものの、太いトルクによる動力性能は圧巻だ。
488GTBの代わりにピスタを所有したとしても、公道上でそれほど苦痛を強いられることはない。ただし、4点式ハーネスを締める前にハンドブレーキを解除することだけは忘れてはならない。そしてタイヤが巻き上げる小石の音は我慢しよう。このクルマが与えてくれるパフォーマンスを考慮すれば、なんてことのないことだ。