年商3億円 退役軍人がつくる道路標識 世界有数の標識システム支える
公開 : 2018.11.25 11:40
新製品の紹介も
下半分は、茶色地に白字の昔からある標識(「ようこそトランプトンへ」みたいなやつだ)で、正式には旅行者ゲートウェイ標識という。しかし上半分はその場所のフルカラーの合成写真だ。「バースと北東サマセットではこれに代わり始めました」と誇らしげに彼はいう。
RBLIの次の目玉商品はレンズが付いた道路標識だ。複数のレンズからなる標識で、見る位置によって異なった画像を表示したり、絵が動いているような錯覚を与える。
「ワクワクするような新製品なんですが、問題は価格です」とストリートリーはいう。
われわれが話をしている間、コリン・ペイビーはガラハド(フォークランド紛争で沈没した運搬船)の退役軍人が仕切っているRBLIの金属加工部で熱心に働いていた。彼は大きなアルミ複合材のシート(2枚のアルミ板の間にポリウレタン層が挟まっている)を形にカットしてリベット止めしている。この上に道路標識を塗装するのだ。誰にとっても骨の折れる仕事だろうが、コリンにとってはなおさらである。彼は30年以上前に左腕をなくしている。
「10カ所やられたので、外科医は腕を切断せざるを得ませんでした」と後で彼は話してくれた。「腕なしでは軍の外で生きていくのは本当に大変でした。誰も雇ってはくれません。幸いにもRBLIから話があって、溶接工として訓練をしてくれて、ここの仕事をくれたんです。命の恩人ですよ」
RBLIが自らを「英国で最も勇敢な製造会社」と呼ぶのも謂われないことではない。道路標識に敬礼!