丘とスリルと腹痛と ジープ・ラングラーでルビコン・トレイルを走破
公開 : 2018.11.21 10:40
60年以上にわたるジープの祭典
ルビコン・トレイルとジープとのかかわりは、1953年にさかのぼる。そのはじめての冒険の出発点はジョージタウンだった。その1世紀も前に一攫千金を夢みてゴールドラッシュの波に乗るひとびとが住みついた小さな街だ。
2日のあいだ、時には耐えがたくつらい行軍も多かったはずだが、第2次世界大戦を戦った軍人にはおなじみの50台以上のCJ型ジープは、そうして今日まで続くジープの祭典の礎を築いたのだった。いまや参加車は400台に達し、それぞれのタイヤがこの伝統の細道にわずかながら新しい痕を刻んでいく。
そしていよいよわれわれの番だが、お供にするジープには興味深いポイントがふたつある。
ひとつはメーカー標準でもっとも硬派な仕様になっている最新のラングラー・ルビコンだということだ。標準仕様も十分なオフロード性能をもつが、こちらは前後の固定車軸がダナ社のダナ44となり(より強化され幅も広くなり、最小回転半径はタイトになった)、大きく張り出したフェンダーには33インチ径のオールテレーンタイヤがおさまるのみならず、トランスミッションのギア比も超低速対応となる。
スズキなどとは考え方もちょっと違うようだし、同僚でドイツの名のある選手権獲得の経験もある四駆の達人によれば、メルセデスのGクラスを持ってきても1日が終わったら無防備なサイドシルは見るに耐えない有り様になるだろうという。