丘とスリルと腹痛と ジープ・ラングラーでルビコン・トレイルを走破
公開 : 2018.11.21 10:40
武骨だが装備は充実
まあ、そういう話はまたの比較テストにでもおいておこう。とりあえず、いま乗っているJL型は先代よりも数段洗練されている。前へ倒せるフロントガラスは、もともとウィリスやフォードでつくっていた頃に紛争地帯へ運びやすくするためだったが、昔も今も変わらないジープいちばんの特徴だ。
だが、これはかつてはボルトを28本も外さねばならない面倒な作業だった。今回は絶えず立ちこめる土ぼこりを食い止めるために立てっぱなしにしたが、もはやたった4本はずせば倒せる。
同様に、キャンバストップをたたむのもマツダMX-5(日本名ロードスター)ほど簡単とはいえないまでも、それに近いものはある。こちらは上にはねあげて日よけとした。車内は広く、スイッチ類はあいかわらず武骨だが質感はだいぶ上がったし、いまや8.4インチのタッチパネルをそなえた現代的な「通信機能」すらついてくる。
ふたつ目のわけは多分に主観的なもので、われわれがはじめて遠くカリフォルニアの荒野にやってきた理由でもある。
このラングラー、ヨーロッパでの役回りはだいたいがライフスタイルの演出だ。だがジープが開発に使ったそのものの土地で運転してみると、ロッキー山脈のシロイワヤギやクモの子孫とおなじ道をたどっていることが思い起こされるし、ちょっとした電子機器や快適なシートなど煩いのもとにも思えてくる。