丘とスリルと腹痛と ジープ・ラングラーでルビコン・トレイルを走破
公開 : 2018.11.21 10:40
本来の土俵での活躍
ミドシップのフェラーリをいつものロンドンの渋滞から抜けだしてフィオラノのテストコースで思いきり走らせるのと一緒で、そういう目的をしぼったクルマが本来の土俵では大いに光り輝くだけではなく、その進歩にとても興奮させられるのだ。
さて、ドアは取り外してしまっているが、こういうところではそのほうが様になるし、もちろん実益もある。岩が左右からせり出した強烈に狭い区間があって、タイヤのサイドウォールが石に削られたりフェンダーも引っぺがされかねない。
そんなところでも、ドアがあったところから外へ乗りだして見れば、ラダー型シャシーの通るべき道筋もちゃんと視認できるし、ただでさえ驚異的なホイールのストロークもはっきり見てとれる。おまけに、ボタン操作でフロントのスタビライザーを切りはなせばストロークはさらに伸びるのだ。
大きな岩をやりすごすコツは、ボディでまたぐのではなくタイヤで踏みこえることだ。こんなことが可能なのも、44°というアプローチアングルのおかげだ。それに、いざとなればサイドシルをガードするいわゆるロック・レールに守ってもらえる。
当然ガリガリギーギーという耳をおおいたくなる音には我慢だ。だがそれができなかった1台がいて、エアジャッキで車体を持ちあげてガイドたちが下にもぐり、ミッションオイルクーラーの配管に引っかかった岩を取りのぞく羽目になった。