ドライバーズカー選手権2018(2) 10〜5位に留まったモデル、そのワケは
公開 : 2018.11.24 10:10
フェラーリが用意したタイヤは10万ポンド超
残る2台は、マクラーレン600LTとフェラーリ488ピスタ。両者ともにわれわれのお気に入りのモデルであり、さらに過激なサーキット・バージョンとなる。テストのために用意されたタイヤの請求書を目にする前なのに、高価な2台からは少し距離をおいているテスターたち。何しろ、フェラーリのタイヤセットだけでも10万ポンド(1480万円)を超えているのだから。
といっても、ゴムだけではない。フェラーリはピスタのために、カーボン製のホイールを6セットも準備してくれたのだ。そのうち3セットが履くタイヤはミシュラン・パイロット・カップ2で、残りの3セットは間もなくホモロゲーションを取得するであろう、カップ2R。これらを合わせると、その価値は10万ポンド(1480万円)を超えてしまう。
ホイールは再利用できる可能性はある。しかし、タイヤはテストが終わる頃にはすべて駄目になっているだろう。ラップタイムを計測するときに、フェラーリが用意したフレッシュなタイヤに都度交換することは、フェアだといえるだろうか。ほかのモデルにはそんな準備はないのだ。われわれの見解としては、モデルオリジナルのスペックを保っている以上は、フェアだと考えている。
メーカーがテスト用の車両を提供してくれるわけだが、そこには自信や不安が混在しているはず。それはすべてのクルマで共通なこと。クルマの持つ限界をギリギリまで引き出せるように準備するかしないかは、メーカー側の問題だと思う。
残念ながら、今年のコンペティションで最下位を獲得するであろうクルマは、テストのかなり早い段階から見えていた。5名のテスターのうち、3名が最下位に、2名が下から2番目に位置づけたクルマ。そもそも今年の10台にノミネートしたという時点で、充分に優れた評価を得ている表れでもあるから、すべてのクルマが入賞したといっても良い。しかし、北ウェールズの地で大きな失望を生んでしまったのが、ジャガーXE SVRプロジェクト8だ。