ドライバーズカー選手権2018(3) ポルシェ911 GT3 RS、まさかの敗退
公開 : 2018.11.24 17:10 更新 : 2018.12.04 15:14
アルピーヌA110が3位の不思議
その前に、3位を。エンジン配置や駆動輪、2名の定員など、近似するパッケージを持ってはいるものの、仕上がりは爽快なほどに異なるクルマ。今年、BMW Mディビジョンやポルシェのモータースポーツ部門の顔色が悪くなったクルマ。パワーやグリップなどすべての面でトップからは劣るものの、ドライバーズカーとして輝きを放っている。20年以上に渡って休眠していたブランドを、立ち上げ直しスポーツカーを生み出すということは、想像以上の労力を要したに違いない。
結果、カムバックを果たしたクルマは、超新星レベルの輝きを持っていた。小柄なボディに魅力を満載した、フランスの革命児、アルピーヌA110。もしアンドリュー・フランケルがカウントし直している得点を操作できるなら、3位を1位と入れ替えたいところなのだけれど……。でももし英国のBBCシングルチャート・トップ40の順位を入れ替えたとしたら、誰にとっても意味のないものになってしまう。この結果も受け入れなければならない。
少し視点を変えて、今回のコンペティションの様子を想像してみて欲しい。
わたしたちは、スノードニア国立公園の敷地境界にある、壁で囲まれた駐車場にいる。周囲には英国でも有数の、クルマ好きにとっては理想的とも思える道路が何本か広がっている。中には狭く蛇行した道があり、中には広くスムーズに延びる道もある。どれもここから数分も走ればたどり着く。眼の前には、今回の英国ベスト・ドライバーズカーのトップ3に選ばれた、フェラーリとマクラーレン、アルピーヌが停まっている。
ポケットにはこの3台のキーが入っている。なくすといけないから、ポケットにはジッパーが付いていたほうが良いかも。そこから取り出すのは、他のテスターがそうだったように、アルピーヌA110のキーではないだろうか。一般道でのアルピーヌA110から受ける刺激は、ほかの2台より若干劣っても、どうしても気持ちが傾いてしまうはず。