ドライバーズカー選手権2018(4) フェラーリ488ピスタ vs マクラーレン600LT

公開 : 2018.11.25 10:10


250点満点中、わずか2点差の勝利

見事、AUTOCARの英国ベストドライバーズカーに選出されたのは、マクラーレン600LT

マクラーレンは、自動車メーカーとして初めての受賞となる。そして、これまで11度の勝利を収めているポルシェや、5勝をあげているフェラーリ、4勝を果たしているロータスを始めとする、ノミネートしたすべての自動車メーカーに賛辞を送りたい。

素晴らしい仕上がりだったマクラーレン600LTは、5名のテスターの内、3名が最高得点を付ける形で選出された。25点を獲得したのは1度、24点は2度で、これはマクラーレンもフェラーリも同じ。かなり接近した結果だったといえる。ただし、マクラーレンの優れたバランスが生む、一般道における速度域を問わない落ち着いた挙動と卓越した走行性能は、フェラーリの備えるサーキットでの並外れたスピードやグリップ力、ハンドリングバランスや柔軟性を、超越していた。

多くのテスターは、操作とクルマの息がピタリと合ったときの、600LTの漸進的な挙動と濃いフィードバックを高く評価した。ハードに攻め、ブレーキングを遅らせ、エンジンの回転数を高く保つ。コーナリング中に軽くアクセルを煽りクルマの向きを調整し、クルマのノーズを最適な方向へ向ける。そのままアクセル操作でハンドリングを中立状態へ持ち込み、状況に応じて僅かなスリップアングルを発生させながら、出口めがけて一気にスロットルを開ける。上手に操作するほど、LTの秀逸さが輝いてくる。

マット・プライヤーは、600LTの非の打ち所がないキャパシティの深さに、最後になってかなり考えが揺れ動いた。その差は明確だった、とまとめている。

マクラーレンは、75万ポンド(1億1100万円)のセナで新たな領域ともいえる高みに達しており、ロードテストではテストコースのラップタイムを更新。2019年には新たなハイエンドモデル、スピードテイルも登場する。しかし600LTは、ディーラーで購入できるモデルとして、注目に値する極めて高い完成度を得ており、今回の結果はその裏付けでもある。

マクラーレン600LTは、サーキットでも一般道でも、白眉の走りを見せる孤高のクルマであり、今年の英国ベストドライバーズカーとして、ふさわしい1台だと断言したい。

ノミネート10台の獲得点数とその内訳

順位 モデル 一般道 サーキット 総合得点
1 マクラーレン600LT 112 113 225
2 フェラーリ488ピスタ 105 118 223
3 アルピーヌA110 113 95 208
4 ポルシェ911 GT3 RS 94 113 207
5 BMW M2コンペティション 99 104 203
6 アウディR8 RWS 94 90 184
7 アストン マーティン・ヴィンテージ 87 94 181
8 ロータス・エキシージ・スポーツ410 88 91 179
9 フォードフィエスタST 90 76 166
10 ジャガーXE SVプロジェクト8 76 85 161

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