カルロス・タバレス PSAグループを生まれ変わらせた手法とは?
公開 : 2018.11.24 11:40 更新 : 2021.03.05 21:42
SUVや電動化がカギ
タバレスの次なる一手は「プッシュ・トゥー・パス戦略」と名付けられた。第一の目的は利益率の重視-PSAの利益率5%はすでに多くの大手自動車メーカーの羨望の的だった-とさらなるコスト削減だった。
シトロエンの継続的なてこ入れ、独立したプレミアムブランドDSへの多大な投資、プジョーのより明確な性格付けが骨子だ。主要な成長分野であるSUVの製造へと新たに舵を切ることはプジョーにとって最重要だった。電動化も最優先事項だ。この分野でPSAは出遅れていたのだ。
2017年、人気のSUV3008や5008などいくつかの重要なモデルが発売された。シトロエンの新しい超小型車C3はこのブランドの売り上げに大きく貢献した。DSはブランド初の独自(シトロエンベースではない)モデル、DS7クロスバックを発売した。2017年の年末には、PSAは販売台数、営業利益、総収益で過去最高を記録したと発表した。
「PSAは明らかにハイエンド、より高価格で利益の大きなセグメントにシフトしています。このことが成長と利益に良い影響をもたらしているのです」とデータ会社ジャトの自動車アナリスト、フェリペ・ムーニョはいう。