試乗 BACモノ 鋭い走り F3マシンのような運転感覚
公開 : 2018.11.19 12:05 更新 : 2021.03.11 15:57
いざ走り出す
290mmのステアリング自体は非常に単純だ。フェラーリと同様、公道上で必要な操作はすべてそこで行うことができる。視界に入って来るのは専用コンパウンドのクムホ製205/40タイヤを覆うホイールアーチだ。ケンブリッジシャーの落ち葉に覆われたウェット路面ではやや心もとない。
フロントに用意された80ℓの荷室から取り出しておいたヘルメットをかぶる。そしてAPレーシング製クラッチを切り、スターターボタンを押すとエンジンが目を覚ます。緑色のニュートラル・ボタンを押し、右のパドルを引けば1速に入る。
引き締まっているがリニアなクラッチをつなぐと、超軽量なモノは簡単に走りだす。サウンドはとても大音量だ。だが、驚くことに威圧感はない。ただし、公道上のどんなクルマとも明確に異なる印象だ。
モノに搭載されたフォード製の2.5ℓデュラテックエンジンを暖めてから、もう少しその走りを探ってみることにしよう。後ろには何もないが、ハーネスに阻まれて振り向くことは難しい。小型のウイング型ミラーは低速時には便利だが、ペースを上げるほどに高周波の激しい振動に襲われてその像が荒れる。まるで走りながらお茶を飲むようだ。