ポルシェ911ターボ（996）（2000年チャンピオン）

発見した車両：2000年モデル　911ターボ、11万1000km、3万4995ポンド（516万円）

これまで歴代のポルシェ911は英国ベストドライバーズカー選手権を7度制しており、他のモデルに比べ圧倒的な地位を確立していると言えるが、このモデルだけが自然吸気に替えてターボ過給エンジンを積みチャンピオンの座に輝いている。いまでは、この選手権に参加する911は必ずポルシェモータスポーツが送り出したモデルとなっているが、2000年当時、996世代のターボモデルがチャンピオンに輝いた時には、初代911 GT3はデビュー後わずか12カ月しか経っておらず、現在のような名声を築き上げてはいなかったのだ。そのため、ターボモデルが911ファミリーの頂点に君臨していた。

こんにちの911ターボの特徴であり、GT3との違いを作り出しているものは、このモデルにも見て取ることができる。ツインターボ・フラットシックスは、その426psのパワーによって怒涛の追い抜き加速をみせるこのツインターボ・フラットシックスは、高回転よりも中回転域でのトルクを重視しており、その四輪駆動システムは、GT3には望み得ない全天候型の能力に繋がっている。さらに、軽量化よりも日常使いを優先して充実させた装備により、996ターボはベースとなった911カレラよりも毎日を共に過ごすに相応しいモデルだった。

996ターボに不満があるとすれば、そのドライビングや見た目にではなく、その上がり続ける価格に対してだろう。ほんの数年前まで、非常に状態の良い個体であっても2万5000ポンド（369万円）で手に入れることができたが、現在では過走行の車両でさえこの価格では購入することは不可能だ。いま状態が良いマニュアルギアボックス搭載の996ターボを手に入れようと思えば、3万5000ポンド（516万円）以上が必要になるだろう。

ノンターボの911カレラであれば、そのエンジントラブルが非常に有名だが、ターボモデルの場合、はるかに頑丈なメッツァーエンジンの3.6ℓ版を使用しているため、エンジントラブルとは無縁だ。

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