魅惑のツインエンジンカー ビンテージレーサーから最新ハイブリッドまで 後編
公開 : 2018.11.25 06:10 更新 : 2019.05.04 13:03
セアト・イビーザ・ビモータ(1986年)
1980年代中盤、セアトにはラリーでトップ争いをするだけの予算がなかっただけであり、セルビア兄弟はよりコストを掛けずに四輪駆動モデルを創り出す方法を思いついた。当時デビューしたばかりのイビーザをベースに開発されたビモータでは、125bhpにまで出力を高めた2基の1.5ℓエンジンが、溶接により一体化したふたつのフロントフロアパンを利用して搭載されていた。
強固なロールケージが十分以上の強度を確保することで、ビモータの狙いはラリーフィールドへの参戦であることが強調されていた。セルビア兄弟の手によりいくつかのクラス優勝を遂げるとともに、スペインのグラベル選手権では表彰台を獲得しており、エンジンパワーは300bhpまで引き上げられていた。公道仕様が生産されることはなく、現在ではすべての車両がセアトのヘリテージモデルとして保管されている。