魅惑のツインエンジンカー ビンテージレーサーから最新ハイブリッドまで 後編
公開 : 2018.11.25 06:10 更新 : 2019.05.04 13:03
メルセデス・ベンツ A38 AMG(2001年)
パフォーマンスモデルを創り出すにあたり、メルセデスのAクラスはその相応しいベースモデルとは思えないが、そんなことでAMGのエンジニアたちは挫けなかった。この小さなメルセデスがもつサンドイッチ式フロア構造を活かして、2代目A190 の1.9ℓ4気筒エンジンを、リアタイヤのあいだに上手く収めることに成功している。AMG流の細部に対するこだわりによって、それなりのトランクスペースまで残されていた。
どちらのエンジンもスタンダードのままであり、合計出力は254psに留まっていたものの、それでも0-100km/h加速5.7秒、最高速230km/hには十分だった。すくなくとも2台のA38が作り出されているが、公道向けは1台のみであり、F1チャンピオンのミカ・ハッキネンへとプレゼントされ、現在はメルセデスのヘリテージ・コレクションとして保管されている。