魅惑のツインエンジンカー ビンテージレーサーから最新ハイブリッドまで 前編

公開 : 2018.11.24 06:10  更新 : 2021.03.05 21:42

アルファ・ロメオ・ビモトーレ(1935年)


1934年のGPシーンでドイツ勢の後塵を拝したことで、アルファ・ロメオはその翌年となる1935年、軽量化したP3シャシーをベースにエンジンを2基搭載したビモトーレを登場させた。ビモトーレには、それぞれ2.9ℓと3.2ℓのエンジンを2基積んだバージョンが存在し、両モデルとも直線では驚異的なスピードを発揮した。3.2ℓモデルの最高速は335km/hに達したが、燃費とタイヤの問題から、ライバルを倒すにはピットで過ごす時間が長くなりすぎた。

ツインエンジンのモデルとしては珍しく、ビモトーレの駆動輪はリアのみであり、リアのエンジンからの出力は、センター配置のディフェレンシャルを経由してY字型のドライブシャフトから後輪へと伝達されていた。ビモトーレは1台のみが現存しており、もし販売されるとすれば、2017年のオークションで1934年製ティーポB P3が記録した343万ポンド(450万ドル)をはるかに凌ぐ価格になると考えられている。

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