魅惑のツインエンジンカー ビンテージレーサーから最新ハイブリッドまで 前編

公開 : 2018.11.24 06:10  更新 : 2021.03.05 21:42

テンポG1200(1936年)


テンポG1200はまるで双頭のモデルだが、これは米国でジープが登場する以前に、ドイツ軍向けの万能型車両を創り出そうとした真剣な試みだった。ハンブルクに拠点を置くヴィダル&ゾーン・テンポ・ヴェルケが生み出したG1200では、2ストローク2気筒から19psを発揮するエンジンがフロントとリアにそれぞれ搭載され、路上はリアのエンジンだけで走行し、オフロードになるとフロントのエンジンを作動させる仕組みだった。1943年までに1243台が生産され、武装親衛隊を含むすべてのドイツ軍で使用されている。

車体中央に取り付けられたスペアタイヤによって、駆動輪を6輪とすることも可能であり、テンポのオフロードにおける走破性向上を図っていた。現在G1200の価格は1万ポンド/1万3000ドル(145万円)ほどとなっている。テンポのモデルとしては、第2次世界大戦後、ライセンス生産を行ったランドローバーのほうがよく知られており、この車両はドイツ国境警備隊に供給されていた。

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