魅惑のツインエンジンカー ビンテージレーサーから最新ハイブリッドまで 前編
公開 : 2018.11.24 06:10 更新 : 2021.03.05 21:42
サーブ93 モンストーレ(1959年)
サーブはつねに独創的なエンジンやレイアウトを採用していたとはいえ、それでもモンストーレはこのメーカーにとっても驚愕のモデルだった。モンスターを意味するこの車名は、2基の2ストローク3気筒748ccのエンジンをフロントアクスル前方に横向きに隣り合わせて積んだことに由来しており、強化したギアボックスを介してフロントタイヤを駆動していた。
ツインエンジンが発揮する140psを受け止めるにはこの強化トランスミッションが必要であり、その強烈な加速によって、このクルマの最高速は196km/hに達していた。唯一の問題は、高速走行中そのボディ形状ゆえにリアが安定感を失い、ハンドリングが扱い辛くなることであり、それがこのクルマの愛称にもなっている。モンストーレは1台が製作されたのみであり、現在ではスウェーデンのトロルヘッタンにあるサーブ博物館に展示されている。