初試乗 ルノー・メガーヌR.S. トロフィー 機敏で個性的なホットハッチに
公開 : 2018.12.27 10:10 更新 : 2021.03.05 21:34
四輪操舵は不要?
確かにゴルフGTIには積極性が欠けているかも知れないが、ドライバーにより忠実なモデルであり、ヒュンダイi30 Nには、さらに自然で魅力的なシャシーバランスが備わっている。そして、ホンダ・シビック・タイプRであれば(個人的には刺激が足りないが)さらなる正確性を味わわせてくれるのだ。
メガーヌは人工的なフィールを伴って路面状況を伝え、どの程度攻め込むべきかをドライバーに判断させる。アクティブリア操舵とは、自動車技術における3D映画のようなものだろう。つまり、不要な存在であり、ドライビンングの楽しみを、そもそも誰も望んでいないものへと変えてしまうのだ。これまで試した四輪操舵を持つクルマのなかで、このシステム無しでは運転したくないと感じさせたのはロールス・ロイスだけだった。
だが、公道でのトロフィーは素晴らしい。固められたシャシーを持つそのボディコントロールはタイトだが、油圧式バンプストッパーが最後のところで衝撃を和らげており、比較的しなやかな乗り心地を確保することに成功している。
さらに、トップレベルの俊敏さを維持しながら、ドライブモードで調整可能なリア操舵によって、そのコーナリングは公道でもより自然なフィールを実現することを可能にしている。
だが、カスタマイズモードでは、ステアリングの重みを増やし、エンジンサウンド(つまりはエグゾーストだ)を控え目にするという、通常とは逆のセッティングが個人的には好みだった。