試乗 レクサスES300h カムリとの価格差/「ミラーレス」を評価
公開 : 2018.11.27 10:10
「買い」か?
電子ドアミラー/カムリとの差額
バージョンLにOP設定された量販車世界初採用となる電子ドアミラーが装備面の目玉商品だが、距離感が掴みにくいことや画面解像度などがウィークポイント。電子ルームミラーと異なり通常の鏡面に切り換えられないのも気になる。そういった飛び道具的装備や機能を持ち出さなくても十二分な魅力を備えているのがESである。
ただし、セダンの売れセンとなるスポーティ志向では際立つ魅力はない。刺激的な高性能やファントゥドライブではFスポーツでも大人し過ぎるだろう。ESの魅力は安堵感を誘うような穏やかさとゆとりであり、伝統的な高級セダンの価値感とも言える。例えば、FMCで全モデルがアスリートのようになったクラウンを見て乗り換えに躊躇しているロイヤルサルーンユーザーやスポーティモデルに疲れ気味のセダンユーザー等々はESが示すプレミアムサルーンの在り方に共感できるだろう。
ESの標準モデルは高機能ナビや前席パワーシート等の充実した装備を標準とすることもあり、カムリの最上級仕様の約150万円高、クラウン2.5ハイブリッド車対比では2.5Gの約18万円高である。国産セダンでは相当高価なのだが、もし穏やかに過ごせるコンフォート志向の高級セダンを求めるなら投資に見合った十分な価値がある。