アウディTT 1.8 TFSIスポーツ

公開 : 2012.03.22 15:13　　更新 : 2017.05.29 18:18

■どんなクルマ？

アウディTTクーペのラインナップに1.8リッターのTFSIエンジンが加えられた。この1.8リッターTSFIエンジンは、当初エントリー・レベルのコンバーチブルに用意されていたものだが、最近になってハードトップ・クーペにも搭載されるようになったということだ。ちなみに、魅力的なスポーツ・トリムを持つテスト車両は、6速のマニュアル・ギアボックスを装備し、2,500ポンド(330万円)以下というかプライス・タグが付けられている。

■どんな感じ？

驚くほど上品なフィーリングだ。ドライブすること自体に面白みは感じないが、アウディの美というものを堪能させてくれるモデルだ。その狙いは、アウディのプレミアムな質感を望む多くの人のために価格を落としたということにある。ずばりこのモデルは、その狙いを真正面に据えている。

1240kgの乾燥重量に対して1.8リッターのエンジン・パワーは十分だ。トルクやレスポンスも日常的なドライブをするには事足りるだけでなく、クーペに相応しい興奮を届けるだけのポテンシャルも秘めている。もし、右足をハードに踏み込めば、十二分にそれに応えてくれるパワー・ユニットである。

■「買い」か？

おそらく買いであろう。公平に見ても、このクルマとエンジンの組み合わせは、驚くほど納得のいく組み合わせである。2リッター・バージョンの3,000ポンド(400万円)という価格よりも遥かに安く、スタイル優先のTTを味わえるのだ。更に、ランニングコストも2.0リッター・モデルよりも安いというボーナスもついてくる。2.0TTが15.1km/lと152g/kmに対し、15.6km/lと129g/kmという燃費とCo2排出量を持つ。

もちろん、大きな2.0TTが0-100km/hを6.1秒で駆け抜けるのに対して7.2秒と少しばかり掛かってしまうことになる。しかし、現実には日常の10分の7ほどはそれとは関係ないドライブをしていることだろうし、もしパワーが必要となれば10%ほどハードなアクセルワークをすれば2.0との差は限りなく縮まるだろう。

もし、2,000ポンド(265万円)以下で同じパワーを望むのであれば、1.4TSIエンジンのフォルクスワーゲン・シロッコを選ぶべきだ。

(ティム・ディクソン)