固めの脚ながら優れた洗練性

レザー張りの内装は、Sライン・スタイルエディション以上の設定。ただし、レザー張りにしても、アウディの上位モデルと同等の品質や質感をインテリアで得ることは難しい。インフォテインメントシステムより目線が下の部分では、硬質で艶のあるプラスティック然とした部分が、ドアの内張りのほか、そこかしこで目についてしまう。

インテリア全体のレイアウトやデザイン、搭載されるインフォテインメントシステムなどの技術面では、フォルクスワーゲン・グループのAセグメントモデルの中でも上級指向ではある。しかし、どちらかといえば、アウディの品質としては及ばないように感じる。

前回のA1の試乗は、大径ホイールとスポーツサスペンションの組み合わせによるものだった。しかし、標準のサスペンションと16インチ・アルミホイールの組み合わせなら、英国の道でもうまく走りこなすようだ。Aセグメントの平均で考えると、サスペンションは固く、減衰力も高め。しかし、市街地での走行では、やや路面に抗する動きが目立つが、郊外の高速道路などでのボディコントロールは悪くない。全般的に、走りの洗練性は優れているといえるだろう。

その走りは、A1をプレミアムなAセグメントとして相応しい、より上級モデルにも期待するような、ダイナミクス性能をアウディが持たせていることも示している。少なくとも標準グレードでは、ミニ5ドアやフォード・フィエスタとは異なる魅力を持っていると思う。

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