新型アウディA1スポーツバックに試乗 英主力「30 TFSI」
公開 : 2018.11.30 10:10 更新 : 2018.11.30 11:53
アウディらしい角の取れた走り
ボディコントロール性やハンドリングのレスポンスは、間違いなくフォルクスワーゲン・ポロよりも、セアト・イビザに近いもの。過度にソフトだったり、機敏だったりということもない。ステアリングの切りはじめのレスポンスは、ドイツ車らしい穏やかな設定だから、実際にクルマが進行方向を変えるまでに、1/5ほどはステアリングホイールを回す必要がある。
クルマが向きを変え始めると、クルマは一回り小さく、軽くなったような感覚があり、フラットに鋭くコーナリングしていく。前後タイヤのグリップ力のバランスにも優れ、ペースを早めれば、運転を楽しめる感覚さえ味わえるだろう。やや角の取れたダイナミクス性能とでもいう仕上がりは、期待通りのアウディだ。ミニ・クーパーのように熱くなる走りがある訳でもないし、小型犬のように手を焼く俊敏さで、腕を試されるわけでもない。
フォルクスワーゲン・グループ製の1.0ℓ、3気筒ターボエンジンは、僅かではあるが、3気筒と感じ取れるリズムを伴って回転する。実用回転域でのトルクは充分で、日常的に使う速度域なら、不満のない加速が得られている。
マニュアル・トランスミッションは、正確でテンポ良く決まる。カシっとソリッドな変速の感触は、回転数を上げてもスムーズなエンジンと相まって、何度も変速をしたくなるような仕立て。必要になれば、積極的な変速も難なく受け入れてくれるだろう。
ミニ・クーパーに搭載されている1.5ℓの3気筒ターボの方が、優れたエンジンには違いない。しかし、ミニのエンジンラインナップよりもバリエーションは豊富だから、A1を候補にする理由もわかる。もし強力なエンジンがほしい場合や、3気筒ならではのビートが嫌なら、A1には4気筒1.5ℓの35 TFSIという選択肢もある。