アウディeトロンGT 完成「きわめて間近」 製品化は2020年 LAショー
公開 : 2018.11.29 12:40 更新 : 2021.11.11 13:21
性能と航続距離 駆動システム
590psのシステム出力は、電気自動車としては非常に印象的な数値だ。前後のアクスルには、個別の電気モーターが搭載されている。
どちらのモーターも、永久磁石式同期電動機(PMモーター)です。アウディeトロンGTコンセプトには、クワトロ4輪駆動システムが搭載され、モーターが発生したトルクは、4つのホイールを介して路面へと伝達される。
電動式のクワトロは、前後のアクスル間に機械的なリンクがないため、極めて精密に作動する。電子制御システムは、前後のアクスル間だけでなく、左右のホイール間の駆動力も調整する。これによって、最適なトラクションが得られる。スリップは、それが望ましい場合にのみ許容される。
将来的に、このクルマは0-100km/hを約3.5秒で加速し、200km/hにはわずか12秒で到達することにだろう。航続距離を最大化するために、最高速度は240km/hに制限されている。
多くのライバルとは一線を画している点は、連続してフル加速を繰り返すことができるポテンシャルを秘めている点だという。通常の電気自動車であれば熱の問題によって出力が制限されるような状況でも、アウディeトロンGTコンセプトは、冷却システムによって、モーターとバッテリーのポテンシャルをフルに発揮させることが可能だ。
このコンセプトカーの航続距離は、新しいWLTPモードで400kmを超えている。必要な駆動エネルギーを供給するリチウムイオンバッテリーは、90kWh以上の容量を備え、フロント及びリアアクスル間のフロア下全体に設置されている。
回生システムによって最大で30%航続距離を伸ばすことが可能。これは、アウディeトロンGTコンセプトのようなスポーティなクルマにとっても、不可欠な要素だ。回生システムは、2基の電気モーターを使用し、電気油圧的に統合されたブレーキコントロールシステムを活用。
ここでは、3種類の異なる回生モードを組み合わせて使用している。それらは、シフトパドルのマニュアル操作によって起動するコースティング回生、予測効率アシスト経由で自動的に起動するコースティング回生、そして電気と油圧による減速をスムーズに移行するブレーキ回生だ。
0.3G以下の減速では、エネルギー回生は電気モーターだけが担当し、従来型のブレーキは使用しない。これは、すべての減速シナリオにおける90%以上に相当し、実質的に通常のブレーキ操作においては常に、エネルギーがバッテリーに戻されることになる。
アウディeトロンGTコンセプトには、高性能セラミックディスクを装備している。