シボレー・ボルト生産終了 「それでいいのか?」 AUTOCAR英編集部の考え
公開 : 2018.11.29 12:50
米国だけでなく世界を見るべき
つまり、GMは明らかにボルトの扱いを間違えている。たしかにこのドライブトレインやレンジエクステンダーのコンセプトは若干古くなっているかもしれない。設計思想こそ優れているが、足りないのはその現実化の手法だ。バッテリーが無くなるとエンジンがノイズを立てて働く様は洗練性に欠ける。
この点において、通常のPHEVや大容量バッテリーを搭載するEVは優れている。GMがEV版のボルトを残した理由はここにある。
GMはボルトの扱いを世界的に考えていない。欧州ではシボレー・ボルトとしてだけでなく、ヴォグゾール/オペル・アンペラとしても販売されている。一方GMの本拠地米国市場はこのようなクルマを求めていないのだ。ガソリン価格は安く、サルーンよりもSUVを求めている国において、テスラほどの差別化をできていないことも問題だ。
ボルトに対する今回の決断はその内容よりもその時期が問題だ。この2世代目モデルは登場からわずか数年しか経っていないのだ。GMはボルトの2代目をレンジエクステンダーではなく通常のPHEVまたは完全なEVにするという選択もあったはずだ。
そうは言っても、ボルトは過去のクルマに分類されることが決定してしまった。電動化のパイオニアであり続けることなく。