将来は名作クラシック? 今、買い時 値上がりの可能性があるクルマ16選
公開 : 2018.12.02 07:40
2000~5000ポンド(30万円~75万円)クラス
ポルシェ・ボクスター986(1996-2004)
1990年代中盤に初代ボクスターがデビューしたとき、このクルマの目指すところがいまひとつわからなかった。前半分を2つくっつけたようなスタイリングもそうだし、どう見てもポルシェの旗艦たる911の劣化版にしか映らないとあっては、イメージ重視の顧客には受けいれかねるものだった。
だが運転すれば、それが誤りだったとわかる。前輪の状況をよく伝えるステアリング、すばらしくバランスのとれたしつけの良いシャシー、そしてピリ辛のフラット6がおりなす、目もくらむ楽しさなのだ。そこそこの程度のものなら4000ポンド(60万円)くらいで、ちょっと力不足の2.5ℓよりずっと魅力的な2.7ℓ版もそれくらいで見つかる。時満ちて、ボクスターはポルシェうとともに世界に冠たる地位へと押し上げたことをあらためて知ることになるのだ。
フォルクスワーゲン・フェートン(2002-2006)
自動車市場の動向などにとんと疎いひとでも、フォルクスワーゲン製の高級車というものが悲惨なまでの失敗に終わることは予測がついただろう。だが、移り気なフェルディナント・ピエヒが先頭に立って開発されたフェートンはとにもかくにも2002年に世に送りだされた。売れゆきの鈍さは氷河の進むがごとしだったが、地道に改良を重ねられ、ほんの数年前までは新車価格表にも載っていたのだ。
このクルマにふさわしいエンジンは4.2ℓV8と6.0ℓW12のガソリン版だが、売りに出されることは皆無だ。運がよければ3.2ℓV6のガソリン版を5000ポンド(75万円)以下で「発掘」できるかもしれないが、この価格帯ではほとんどが3.0ℓのV6ディーゼルだ。企業の愚行をあらわす記念碑としては、最高の1例だろう。