ロードテスト フォルクスワーゲン・ポロGTI+ ★★★★★★★★☆☆

公開 : 2018.12.09 11:40  更新 : 2018.12.13 13:13

 

はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

乗り味 ★★★★★★★★☆☆

フォルクスワーゲンがもし本当に必要と考えたのなら、フィエスタSTやクリオRSよりも硬質でシャープで、ドライバーへの依存が高いハンドリングをポロGTIに与えただろう。しかし、顧客の好みを他の自動車メーカーよりも十分研究しているフォルクスワーゲンは、ライバルモデルよりもやや穏やかなダイナミクス性能に留めている。おかげで、明らかに手を焼く機会は少ない。

実際、今回のロードテストのために高速道路のM1号線を使ってミルブック試験場へ向かう際も、乗り心地の滑らかさは、価格が3倍ほども違う高級サルーンにも引けを取らないものだった。クルマの限界性能を探るべく、郊外のワインディングや一般道を飛ばしたとしても、急に手のひらを返されるようなこともないだろう。

バレエダンサーのようなシャシー特性ではないが、高次元でバランスされ、ターンインは安定している。フロントタイヤのグリップ力は高いから、コーナーでのブレーキング時でも不安感はなく、リアタイヤを自在に操ることができる。横方向のボディロールは、ポロGTIではほとんど気にならないレベル。ステアリングの重さがわずかに増え、垂直方向のボディ制御も多少犠牲になっても、ホットハッチとしての魅力は間違いなく得られている。

柔軟ながら抑制のきいたダンピング特性からすると、このクルマは持ちうる力の70〜80%程度で留められている様子。攻め立てた走りをすれば、俊敏性で応えてくれる。運転感覚は楽しさに溢れているわけではないが、道を選ばず突き進んでいけるだろう。

XDSと呼ばれる電子制御トルクベクタリング機能によって、場面によっては強力な加速を得られるが、設定はさほど鋭さを感じられるものではない。強力なグリップを誇るコンチネンタル・コンチスポーツコンタクト5タイヤのおかげもあって、ある程度までなら、アンダーステアは限られている。フォルクスワーゲンの懐の深さや多様性は高く評価できるが、よりシャープな走りを披露するライバルは、確実に存在していることも確かだ。

 

はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

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